「やってあげているのに…」の正体とは?

人間関係の中でよく耳にするのが、

「こんなにやってあげているのに、感謝されない」

「私ばかり頑張っている」

という不満の声です。

これは、会社内、ボランティア、家族、恋人同士など、立場にかかわらず誰もが経験する“あるある”です。

「あなたを救いたい」「あなたの役に立ちたい」
その思い自体は、とても尊いもの。

しかし、そこに隠された自分の本心に気づいていないと、人間関係にすれ違いが生まれてしまいます。

メサイア(救世主)コンプレックスとは

心理学者ユングが提唱した概念に「メサイア(救世主)コンプレックス」があります。

これは、

  • 人を助けることで自分の存在価値を確認しようとする

  • 他人を救うことで優位に立ちたいと願う

  • 実は「自分が救われたいから他人を救う」

といった心の仕組みです。

一見、相手のために動いているようでいて、実は「自分の心を満たすため」に行動している場合もあるのです。

自分に問いかけてみよう

次の質問に当てはまることはありませんか?

□自分は人より劣っていると思うことがある

□人を助けられる自分は特別だと感じている

□相手に尽くしたのに受け入れられないと、自分まで拒絶されたように感じる

□「やってあげたのに」と不満を抱くことがある

もし思い当たることがあれば、それは「相手のため」よりも「自分のため」に動いているサインかもしれません。

「やってあげたのに」が生まれる仕組み

人は誰しも、承認されたい、役に立ちたいという欲求を持っています。

しかしその思いが強すぎると、自己満足の押し付けになり、相手にとっては「ありがた迷惑」となることも。

「勝手にやっているのに、見返りを求めてしまう」

この状態が続けば、人間関係はぎくしゃくしてしまいます。

大切なのは「これは本当に相手のため?それとも自分の満足のため?」と確認する習慣を持つこと。

そうすれば、無意識の衝動に振り回されず、自分をコントロールできるようになります。

自分の気持ちを整理するヒント

では、どうすれば「やってあげているのに!」から抜け出せるのでしょうか。

  1. 自分の本音を書き出す

     「私はなぜこの人を助けたいのか?」を紙に書いてみることで、隠れた動機が見えてきます。

  2. 相手に確認する

     「これをしてもいい?」と尋ねることで、相手の意思を尊重できます。

  3. 見返りを手放す

     「相手がどう受け取るかは自由」と考えると、心が軽くなります。

  4. 自分を満たす時間を持つ

     他人に尽くす前に、自分自身をケアすることが先決です。

これらを続けることで、相手に依存しない健全な関わり方が身についていきます。

組織が大切にすべきこと

企業では、ありがたいことに「この会社が大好きです!」と熱心に語ってくれる社員がいることも多いものです。

ただ、ここで気をつけたいのは

「社長のために頑張る」のではなく、

「会社の理念や事業が好きだから頑張る」

という思いで動いてもらうことです。

「社長のために」と社員が一方向に尽くしすぎてしまうと、依存関係や上下の歪んだ構造が生まれてしまいます。

これはまさに「救世主コンプレックス」と同じで、表面上は相手のために動いているようでいて、実際にはお互いを縛り合うことにつながりかねません。

社長が無意識に“救世主”になってしまうケース

実は、社員だけでなく社長自身が“救世主”になってしまうこともあります。

  • 「自分が助けなければこの会社は回らない」

  • 「社員はまだ未熟だから、私が先回りしてやってあげなければ」

  • 「自分が全て背負えばうまくいく」

こうした考えは、一見すると責任感が強いリーダーの姿勢に思えます。

しかし、その裏には「自分が会社を支えている」という承認欲求が潜んでいることがあります。

結果として、社員が成長する機会を奪い、依存を生み出し、組織全体が「社長なしでは動けない会社」になってしまう危険性があるのです。

救世主にならないための社長のチェックポイント

社員に自立を促し、組織を健全に保つためには、まず社長自身が自覚を持つことが大切です。

□「私がいないと…」という口ぐせが増えていないか?

 社長がそう思うほど、社員の主体性を奪っている可能性があります。

□社員に任せる前に、自分が先回りしていないか?

 結果が不安でも「任せる勇気」を持つことが、成長のチャンスにつながります。

□感謝や承認を“社員から自分へ”求めていないか?

 「やってあげたのに」という気持ちが芽生えたら、救世主モードに入っているサインです。

自立を促す組織づくりへ

健全で力強い組織とは、社員一人ひとりが自分の意志で考え、主体的に行動できる場です。

社長や経営陣が大切にすべきなのは、「社員が依存する関係性」ではなく、社員が「自立しながら会社のビジョンに共感して進んでいく状態」をつくること。

その先にこそ、社員が心からやりがいを感じ、会社全体も持続的に成長していく土台が築かれていきます。

まとめ

「やってあげているのに!」という気持ちが湧いてしまうのは、人として自然なことです。

ただし、その気持ちに気づかずに行動すると、相手を苦しめ、自分自身も満たされないままになります。

「これは相手のため?それとも自分のため?」と立ち止まること。

その小さな確認が、健全で温かな人間関係を築く第一歩です。

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【コラム執筆】荒岡真由美(プロフィール
Color Presents/アドバンスカラーセラピー本部代表
アドバンスカラーセラピー開発者
大学時代から色彩について学び、印刷・化粧品・ブライダル業界を経て独立。2009年、誰でも扱える名刺サイズの色彩心理ツール「アドバンスカラーセラピー」(アドバンスカラーは商標登録取得済)を開発し、資格取得者は3800名超。企業・団体研修を通じ、色彩心理を活用したコミュニケーション力向上や人材育成を支援。商工会でのエキスパート講師やイベント登壇、カラープロデュースなど活動は多岐にわたり、組織や人の可能性を引き出す取り組みを続けている。

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